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日本・和風庭園損門 渡部造園 日本の伝統が醸し出す和風庭園を演出
四季折々の豊かな風情は、街や人々の心を和ませ、安らぎを与えてくれます。家々の庭園は、より手短な安らぎであり、自分の個性を演出する場となり、新しいライフスタイルとなりました。日本の気候風土に適した耐久性・耐候性を備える伝統的な和の美を醸しだし、洗練された美を演出いたします。
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渡部造園 〒959-2225 新潟県阿賀野市嶋瀬99の子 電話:0250-68-1900 FAX:0250-68-3990

第41話 茶庭 田中泰阿彌

若い頃に庭師さんは、茶室まで作るものだと言われました。京都、東京で仕事を覚えた
私ですが、それは昔話だと思っていました。
田中泰阿彌という新潟の庭師が35歳位から茶室を作っているのです。
作ると言っても自分できざむわけではないのですが、設計図を作って大工さんに作ってもらうのです。
数寄屋大工さんではなくて町屋の大工さんを使って作ると言う考えらしいです。
数寄屋の大工さんさんは、仕事に慣れていてきれいにきれいに作ろうとするところが
合わなかったのではないでしょうか?
石積みの所でもお話しましたがきれいな物はけっして美しくはないということ。
プロと素人の間が美しい力強い仕事ができるのではないかという点が
田中泰阿彌と意見の合うところです。

第40話 茶庭 小堀遠州

小堀遠州だけ庭が残っています。
金地院、弧蓬庵、二条城の庭などがあります。
代表的な桂離宮は遠州ではなく遠州の流れをくむ人らしい。
茶室、庭に遠近法を取り入れたのも遠州だという。
計算された庭、幾何学的な庭が好きな自分は、もっと遠州を研究しなければと思っています。
小堀遠州は、人々に受け入れられた天才であると思います。
建築、庭、書、茶道具なんでもござれです。時代と共に茶道も変わりますが、千利休、古田織部、小堀遠州、各家元の努力により、今現在の茶道があるものと思います。

第39話 茶庭 古田織部

古田織部は、破壊のアバンギャルドである。古田織部ほどアーティストと呼ぶにふさわしい人はいないのではないか?
古田織部には、ピカソと通ずる物を感じます。
現代でも通用する物をもっていたし、どのように身につけたか興味があります。
時代を作る人たちの共通点は、新しい物が好きだということ、妥協しない事、があげられます。
それゆえに、人になかなか受け入れてもらえないということがあります。最後には非業の死を迎える。
織田信長、千利休、古田織部、皆そうですが非常にひかれる人たちです。
織部焼きは、緑色を多様していますがオランダ語で緑色を「オリーベ」と言うらしい。

第38話 茶庭 千利休

利休、織部、遠州を考える。
千利休は、「お茶には、マニュアルがない」と断言する大茶人。
私はこの一言で千利休を尊敬します。
庭作りをする私たちは、お茶は、切っても切れないものがあります。
そうすると、どうしても千利休にぶち当たります。
物を的確に見る目と美しさの追求には頭が下がります。
唐物と和物への移行などが良い例ではないでしょうか?
唐物は、綺麗で美しいと思いますが和物は醜美へと向かう物があり、織部へとつながる。
千利休は自分のまねをしてはいけないといいます。
尊いと思えば思うほどまねしたがる物ですが、まねると芸がない物と叱られる。
そのような師がいるでしょうか?

第37話 茶庭 茶室3

広間の場合は、だいたい同じ感じのものが多いのですが小間はいろいろ工夫されていておもしろい。
表千家の不審庵と待庵の茶室が非常に似ていると言われハッとしたことが思い出されます。
不審庵は名物の茶室でお手前のところでUターンする特殊な席です。
風炉の時は逆手前でなく中柱の向こう側、給事口の所でお手前をするという。
炉の時は三畳大目の茶室が風炉になると三畳の茶室になるという。
待庵も次の間がある関係から、不審庵と同じ考えの茶室であるようだ。

第36話 茶庭 茶室2

表千家の不審庵に初めて入ったとき、中が真っ暗で少しずつ、目が慣れてくる時間の流れが気持ちよいものでした。
表千家の不審庵を見ると最初の頃は、逆勝手の茶室は造らなかったのではないかと思います。
点てたお茶をお客様へ左手で出すということが失礼だったのかなと考えてしまいます。
不審庵を逆勝手の茶室にすれば、Uターンなどしなくても、スムーズに行くのになどと考えてしまいます。
部外者の私などが言うことではないのですが、わからなくて、おもしろいのが茶室であったり茶庭です。

第35話 茶庭 茶室

茶室は、広間、四畳半、小間と分けた方が良いと思います。
四畳半は、どちらでも使うことの出来る茶室だからです。
広間と小間の材料を比べると柱などは、小間の方が細かい物を使用していますので、見えない部分で強度を出すように作っているものと思います。
庭の場合は、広間前の庭は少し大きめの飛び石を使ってたり、大きい庭木を使い空間を大きく、明るくしますが、小間の場合は反対に小さめの飛び石であったり、小さめの庭木で本数を多くし暗めにしたりしています。

第34話 茶庭 石組

家元の石組を見ますと捨石と枯山流れの石組があります。
茶庭は、お茶時の為の庭ですので水を流したり、カケヒから落ちる水の音は耳にさわりますので避けた方が良いと思います。

第33話 茶庭 庭門2

庭門は、軽い感じにつくらなければならないので、柱にしてもタルキにしても細い物で作らなければいけない。
柱であれば栗材が良いし、タルキは台杉の枝打ちしたものが良い。
台杉は生長が遅くねばりがあるので、数寄屋造りのタルキに使っているし京都の植木屋さんは、それで脚立を作っている。
網笠門は、柱は、すぐに用意できるけれども、棟木とタルキの「く」の字に曲がったものがなかなか無いため、常日頃注意して材料を集めることが慣用です。
それもたくさんないとできないので、倍くらいの数の棟木とタルキがあれば、うまく作れると思う。

第32話 茶庭 庭門

武者小路千家の網笠門は、両肩が落ちてかわいらしい門です。
屋根の大きさは、2500×2300位の大きさです。
私がお客様の庭に施工するときは少しコンパクトにし柱は束石にあげて施工したいと思います。
屋根の杉皮は、10年くらいしか持たないので、速やかに変える必要があります。
屋根はなるべく持つように瓦屋さんが瓦の下地材に使うルーフィングを何重にも見えないように入れると良い。
今のルーフィングは、ゴム製なので、釘を打っても穴が締まるので良い。
コバ葺きの場合ルーフィングでは厚いので銅板を入れているところがあるりますが苔にも魚にも悪いので、場所を考えて施工する必要がある。

第31話 茶庭 中門

中門とは、亭主と客の挨拶の結界部分をいいます。
枝折戸や木戸をつける場合裏千家だけ左手であけますので留め金は左側につけます。
それは夜話の時に裏千家では亭主が手燭を右手にもって向かうからです。
中門といえば表千家の土壁の中門が名物です。
頭を下げなければ入れない中門です。本当の結界という意味なのでしょう。
中門は俗世界との狭間であり露地の重要な場所であります。

第30話 茶庭 (手水鉢)2

昔は手水鉢へ新しい水を入れるには、手桶で水を入れていたのだけれども、現在は水道があるので、配管して青竹で手水鉢へ水を落とすのが一般的です。
四つ目の縦子を数本と手水鉢の青竹を変えるだけで庭が一新するものだと思う。
なぜか清らかな水が庭にあるだけで心が落ち着くのは日本人だからでしょうか?

第29話 茶庭 (手水鉢)1

茶室に入る前、俗世界から身を清める為、手水鉢の水を使い手を洗い口をすすぎます。
一般的に石に穴を掘った物が多いけれど、台石の上に桶を置いてもいいし、瀬戸物などでも良い。
水が綺麗なことと、人数分の水の量が入っていればよい。なぜか三千家の家元の庭では、四方仏の手水鉢と礎石の手水鉢がある。今現在表千家では、四方仏の手水鉢はないけれども、昔はあったらしい。
禅宗の関係があるのかいろいろ考えているが、答えがみつからない。
わかる方は教えてほしいと思う。

第28話 茶庭 垣根3

垣根は目線を隠したり、結界であったりします。
重い感じの物や、軽い感じの物など。
目線をすべて隠す物、いくらか見える物などがあります。
最近は、あまり高くしないで、軽い感じの物が良いようです。
どうしても目線が気になる所だけ、常緑樹で隠し、全体に低くしたほうが軽い物になります。
一番こった垣根に桂の穂垣がありますがGLから45〜50cm位は石積として、泥があがらないようにしたほうが良いでしょう。

第27話 茶庭 垣根2

垣根の柱は、土に埋めないことと、垣根に屋根をつけた方が持ちます。
屋根が板の場合は、年に何回か防腐剤を塗るメンテナンスをすることにより、長く保てる物と思います。
塩ビ素材の垣根は庭には、合わないのではないでしょうか?
最初は綺麗ですが年々色が抜けてきます。
私たちは、年々美しくなる物を作らなければいけないと思う。

第26話 茶庭 垣根1

垣根もいろいろありますが、難しい物ほど、重くなり、柱に負担がかかります。
土の中に柱を埋めると、なおさら柱がもたないため、柱は、桧とか、栗を使用します。
建物と庭の関係から雑木である栗のほうが良いと思う。
茶室より良い材料を庭に使うべきではないと思う。
垣根の柱がすぐに腐る為、アングルを柱に取り付けて、アングルの部分だけコンクリートを巻いたり、束石の上に柱をのせてコーチボルトで押さえるようにしたほうが良い。

第25話 茶庭(灯籠2)

高桐院にある、細川三斉へ千利休が送った灯籠があるが、南北朝時代のもので、少し弱い所が良いし、わらびてが一ヶ所壊れているところがまた良い。
細川三斉に送った灯籠は、秀吉に所望されたけれど、やりたくないために、笠の一部わらびてを利休が壊して、きずものだから、やれないと断ったと言う名物の灯籠である。
天才の千利休だからできることであると高桐院型灯籠を見るたびに思う。

第24話 茶庭(灯籠)

安土桃山時代になると、お茶が盛んになり、庭への灯りが必要になり、灯籠が入るようになる。
置灯籠の小さい物や、六尺位までの灯籠が茶庭に合うようである。
鎌倉時代の灯籠は、確立した灯籠である為か、ちょっと威張った感じがあり、お茶庭には、不向きであるように思う。
やはり、室町時代のボーとしたような灯籠が良いようだ。
ちなみに、千利休が北天満宮にある、白太夫という鎌倉時代の灯籠が気に入り、譲ってもらおうと交渉した結果、断られ、寸法を測って作ったのが、表千家の不審庵にある六角灯籠だという。
白太夫は、鎌倉時代の灯籠では、あるが、肩が落ちて威張ったところがなく、かわいらしい灯籠である。

第23話 茶庭(飛石2)

京都の本鞍馬石は、色が黒茶で見た目も渋く表面がザラザラして足を乗せたときに滑らなくて良い。
私は、最近、御影石の川流れの物をよく使う。
角が無く、色は白く、苔との写りも良い。
ただ、雨の日などは、少し滑りやすいので、なるべく低くして打つのが良い。

第22話 茶庭(飛石)

茶庭で一番重要な仕事は、飛石の施工であると思う。
飛石は、歩きやすいように、打たなければいけない。
広間の庭は、多くの人が、利用するため、大きめの飛石を打ちたい。
小間の庭は、小さめの飛石となる。
年配の方もいるので、高さはなるべく低く、飛石のそばには、下草などは、植えないようにしたい。
家元では、山石、川石が混ざりながら、計算されつくして、打たれている。
席入りで、手水鉢を使う付近は、大きめの石を使用したり、延段にしたりする。
多く、お茶事を経験することにより、スム−ズに飛石が打てるようになると思う。

第21話 茶庭3

ある、お庭の話ですが、広間、小間がありそれと別棟の小間がある、本格的な露地です。
つくばい周りの話ですが、灯籠は京都の西村光造作で石は太閤石の赤、役石は貴船石です。
最高の材料を使っていて、その中でも、手水鉢は周りに負けない物でなければいけないのです。
その手水鉢は、四角の物ですが仏が前にあるような、ないような感じであと3ヶ所には、仏はなく、自然石みたいでした。
周りが最高の役石を使っているのに、自然石の手水鉢では、釣り合いが取れないと言う事になり、結局その手水鉢は、磨崖仏ではないかと話がまとまりました。

第20話 茶庭2

茶庭を品良く作るには、平庭にしたほうが良いと思う。
庭木は、周りにとけ込む物が良く、目立つ庭木は、さけた方が良い。
特に石などは、立ち石は、避け、伏石にしたほうが良い。
灯籠も品のある物が良い。
茶庭は、明暗をつけ、広間の庭は、明るめにし、小間の庭は、暗めにしたほうが雰囲気が出る物と思います。
一般的に、広間、小間、両方の茶室を持つことはまれです。
クライアントの茶室、茶庭の思いを大切に作庭しなくてはならない。

第19話 茶庭

茶庭は、華奢に細めに品良く作らなければいけない。まず、歩きやすさが一番大切です。
材料にしても、組み合わせが大切です。
良い材料を入れてしまうと、周りとのつりあいがとれなくなる場合があります。
良い材料で一気にやろうとすると、高価な庭になりますので、少しづつ集めたほうが、いいかと思います。
灯籠などは、取り外しができます。役石の関係などがありますので、水鉢は、少し無理をしても良い物を入れた方が良いと思います。
将来的にどのような露地にするかよく話し合った方が良いと思います。

第18話 苔庭3

杉苔のように、長くなるものは、芝生と同じように、春に根元から、刈り込みはさみで刈る。
一時、全体に茶色になって、見苦しいけれども、2ヶ月位で、青く戻る。
日の当たらないところは、出にくいので、注意が必要である。
杉苔は、常に2〜3cm位の長さに保つのが、健全な状態であり、病気になりにくい。
病気の予防は、ベンレートが良いので、梅雨時にやる。
水捌けの悪いところは、腐りやすいし、ゼニ苔が発生しやすい。
水やりは、朝、夕たっぷりやった方が良いけれども、やりすぎると、杉苔などは丈が伸びて弱くなるし、病気の原因にもなる。

第17話 苔庭2

朝、夕、露が落ちる所、盆地である所、そばに川の有る所、が苔庭の良い条件である。
すべての条件を満たしている、京都でも日の当たらないところ、常緑樹が2本重なるような所は、
杉苔は育たない。
京都は杉苔のきれいな所というイメージがあるけれども、それは、寺院などの広い庭であったり、南側の日の当たる所だけである。
町屋の坪庭になると、杉苔は、ほとんどなく、地苔である。
杉苔は、張ったときは、非常にきれいであるけれども、条件が揃わないと育たない為、よく考えてから、張ることを勧めたい。
条件の悪いところでも、きれいな苔庭を作る努力をすれば、どこでも苔庭ができるということになる。

第16話 苔庭1

苔は、2〜3年すると、無くなることが良くあるけれど、それは、苔の選択が悪いからだと思う。
苔の名園、京都の西芳寺は、何種類もの苔が自生している。
西芳寺でも、すべて杉苔にしたら、育たないのではないかと思う。
山形県在中の人が京都から杉苔を取り寄せては,張るのであるが、枯れてしまう。
地元の杉苔を張ったら、今現在、苔庭になったと、喜んでいた。
今現在、東京で苔庭を作ってみたいと思っている。
杉苔は、張らないと思う。
スナゴケ、フデゴケ、カモジゴケなど考えている。
それが、東京で育った苔であれば、言うことは無い。

第15話 植栽5

雑木林で美しい場所で、軽井沢の追分があります。
私は、雑木の庭を作るときは、石は最小限に抑えるようにしています。
園路も土のままで、軽くたたく程度が良いと思う。
雑木の庭は、アップ、ダウンのない平庭ですが、排水の問題が出てきます。
水捌けの良い場所は、いいのですが、水捌けの悪いところは、庭木が駄目になり、苔が育たない。
庭で一番大切なのは、排水です。自然排水をどのようにするか、常に考えています。

第14話 植栽4

最近までは、どうしても杉苔が庭の苔であると、自分の中で固執していたと思う。
杉苔は綺麗ですが、日陰では育たないし、乾燥にも弱いなど欠点の多い苔なのです。
今まで、植栽は少なめにしてきたのですが、これからは少し本数を増し下草が少なくなると思います。
それは、苔の良い物を見つけたからです。
これから雑木で苔庭を作っていきたいと思う。

第13話 植栽3

紅葉と言えば、モミジであるが、枝も細かく手入れも思うようにできる。
やはり林の中にあるモミジは、素晴らしい景となる。枝先もすーと伸び、葉と葉の間隔も広く葉の形もかわいらしい

第12話 植栽2

細めの赤松が2〜3本位、林状にあると庭の景になりやすい。
最近、松は不人気でありますが、赤松などは、雑木林の中にあると非常に良い感じであるのでお勧めしたい庭木です。
雑木林の中の赤松は目立つのは、枝ではなく赤い幹にありますので、下枝を切り、枝数を少なくして、枝先が混まない状態にすれば、手入れもそんなに時間がかからず、雑木の庭に合うと思います。

第11話 植栽

植栽で一番困ることは、庭木は年々大きくなるということである。
雑木は軽い感じに庭がまとまるが成長が早いので、なるべく小さめのもので、2〜3本立ち物を植えてひこばいを大切に育てて、でがわりの剪定をしていくと柔らかい感じに維持できるものと思う。
なるべく葉の小さい物を選んで植えないと下草や苔が傷むので、さける。
数寄屋造りの建物には、赤松ともみじと苔があれば良いと昔から言われているが、理にかなった事といえる。

第10話 石張り

鉄平石にしろ、ゴロタ石にしろ、、石張りのうまい人は、石組みのうまいものだと若い頃に聞いたことがありますが、今思うとなるほどと思います。
大、中、小の石を方向を決めながらの石張りの仕事は、楽しいものです。
石積みと同様に、割らないように、割るとしても見えないところだけにする。
目地は、なるべく深く目地モルタルを入れなくともよい幅とするものを良しとする。一般的には、同色のもので、石張りをするものですが、所々に強くない色合いの石を入れてもおもしろい。石積みも同様である。

第9話 石積み4

石積みを造形的に考えると、球状にも、立方体にも、ウエーブ状にも積む事ができます。
そうなるとラインが大切になってきます。美しさよりも綺麗さになりまので、
割肌やセリ矢の矢痕も当然のように出てきます。石積みが、現代庭園の方向へ向かいます。
石積みをアート的にとらえると石積みが石積みに見えてはいけない要素がどうしても出てきますが未来の石積みは、そこにあるように思います。

第8話 石積み3

韓国の村などは大陸のせいか村全体を石垣で囲い敵から身を守ると言います。
隣との結界も小さい石を1m位に積み上げています。それは石工が何年もかけて積み上げた物でなく、村人の石積みである。
決して綺麗に積もうとかではなく、ただ崩れないように積む石積みである。
それでいて、美しく、力強い物になっている。なぜ石工ではない村人が美しく、力強いものができるのか?
それは、石を割らないことと、目地が深い事ではないかと思います。

第7話 石積み2

石積み、石垣の基本は石が崩れなければ良しと考えますので、崩れるような積み方は、悪いと言うことになります。
それでいて、美しく力強い物を作らなければいけないと思います。
私は、美しい石積みとは、どのようなものなのかと考えると石を割らないで積んだ石積みを良しとしたい。

第6話 石積み

石積みをイメージしますと城の石積みであったり、棚田の石積みであったりします。
城の石積みは、滋賀県の穴太衆という石積み集団が有名でありますが、韓国の渡来人だそうです。
織田信長が安土桃山城の石垣を作る時、にも穴太衆が参加したそうです。
それ以前は、山城で石垣を積んだ城は、無かったそうです。
庭を考える時、城積みも良いのですが、自然石をなるべく割らないようにして積むのが私は好きです。
割って積みますと、目地が綺麗にあって良いのですが、割らない石積みに比べて美しさに欠けるような気がします。

第5話 たたき2

遠野地方にザンミと言う土がありますが、その土を転圧するとコンクリート状態になるそうです。
私自身は、扱った事が無いけれども、たぶん石灰分が混ざっているものと思います。
石灰岩をクラッシャーや砂にしているプラントがありますがそれを利用すれば安価にたたきができるものと思います。
通路、版築などにも、使用できるとおもいます。
たたきは白、グレーが一般的でありますが、黄、赤、茶などの色合いの物も考えていきたいと思っています。

第4話 たたき

昔から土間は、地元で取れる粘土と砂と砂利を混ぜて、たたきしめて歩きやすくしました。
石灰が入っていないため、すぐにでこぼこになったであろうと思います。
たたきの材料は京都の深草が有名です。伏見の深草の土地の山砂、切土した時の層の部分にあるほとんど粘土分のない砂、砂利の部分です。
他県でも、その土地ならではの材料があるとおもいます。
それでやるのも、良い味のものができると思います

第3話 土塀3

奈良の二月堂、三月堂、辺りの土塀は、瓦と粘土を交互に積み上げた土塀でありますし、唐招提寺の土塀は、日干し煉瓦を積み上げたものです。
版築という土塀は、中国と韓国で見たことがあります。日本で版築の土塀をご存じの方がいらっしゃいましたら教えていただきたいです。

第2話 土塀2

京都の料亭「一力」の土塀の色が鮮やかな赤で柱が確か黒で印象深く眺めた覚えがあります。
京都の赤土に「ベンガラ」を入れて塗っているものと思います。
韓国の土塀や古民家の壁の色が赤が多いのは、近くに取れるからでしょうか?
また、韓国の民族村を訪ねて、楽しんでこようと思う

第1話 土塀

15年位前から土塀を作り始めました。
理由はビルに囲まれた空間で和の庭を作ろうとすると、どのような竹垣でもコンクリートの壁面には負けてしまうような気がしたのが始まりです。
作ってみると、いろいろな発見があるもので非常に楽しく、その日が過ごす事ができます。
何が楽しいのかいろいろと考えてみるとやはり土のにおい、土の感触、土の癒しなどの部分ではないかと思います。
特に新潟では、全国的にも、土の色が豊富でありますのでいろいろと試してみたいと思っています。
お隣韓国の土塀にも挑戦していきたいと思います。


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